雨中の鎌倉・・・
さてさて。本日は昨年7月の高尾山、9月の鎌倉に続く「職場の仲間で歩こう会」第三弾。今回の舞台も鎌倉です。
午前11:30、北鎌倉駅で集合。すぐに近くの中華屋(何故かこの会の食事はいっつも中華ww)で昼食を済ませて…
まず向かった先は東慶寺。
実は私、個人的にはこの東慶寺が今回の鎌倉歩きで一番楽しみにしていた場所。
その訳は後ほど…
東慶寺本堂。きちんとお参りも済ませて…
目的の墓苑を彷徨うこと数分、ようやく訪ね当てたのがこちら…
東慶寺第二十世、天秀尼のお墓。そう、豊臣秀頼の娘です。
大坂夏の陣で豊臣家が滅亡した後、天秀尼は秀頼の正室で家康の孫娘・千姫の助命嘆願もあり、命は助けられてこの寺に入ります。
東慶寺について;
現代とは違い、昔は女性の側から離縁することはできませんでした。しかし、その唯一の方法がこの寺に駆け込むことだったのです。以降、江戸期を通してこの東慶寺は「かけこみ寺」、「縁切寺」として有名になります。
もう一つの目的がこちらの宝篋印塔。天秀尼のお墓のすぐ左横にあります。
その碑銘を読み解くと;
「台月院殿明玉宗鑑大姉天秀和尚御局 正保二年乙酉九月二十三日」
と刻まれています。写真は「天秀和尚御局」の部分。
つまり天秀尼のお付きの女性のお墓、ってこと。このことから小田原の役の後に秀吉の側室とされ、後に秀頼やその娘である天秀尼の世話役になったとも云われている甲斐姫のものでは?と俄に注目されているお墓なのです。
正保二年ってことは1645年。小田原の役で忍城に籠った1590年時に甲斐姫が17~18歳だったとすると、享年72~73歳。充分に有り得る話ですね。
あ、ちなみに甲斐姫は映画「のぼうの城」にも出てくる忍城主・成田氏長の娘です。
事実がどうかは知る術もありませんが…歴史ロマンにほんのり触れられた気がして、、、至福の一時でした♪
引き続き、てくてくと歩きます。建長寺の門前をスルーして…
向かった先はここ、鶴岡八幡宮!
今回は正面ではなく、西側からお参りです。
ちゃんとお参りするの、10年ぶりくらいだな~
倒れてしまった大銀杏。
参拝を済ませた後は再び歩きます。
報国寺門前もスルーして、、、
次はこの「巡礼古道」を進みます。
大雨の中、こんな石段や…
山道を進む一向…靴はもうドロドロ(^_^;)
途中、こんな景色を眺めつつ…
超~危険な断崖も渡り…
ざっと3~40分は歩きましたかね、ようやく名越の切通しに到着☆
そして、期間限定で臨時公開されている「まんだら堂やぐら群」へ。
ここは現在、年間でも50日程度しか公開されいていない貴重な遺跡。調査員の方がガイドしてくれます。
中には意味不明なトンネルもあったりして…(笑)
でもガイドのオバチャンのお話はなかなか興味深かったですよ~。
「まんだら堂」と言っても、お堂が残っている訳ではありません。では何故その名前が?というと…
資料で最初にその名が確認されるのは、秀吉による「太閤検地」。かの検地帳にこの地は;
「まんたらたう 下畠」
との記載が残っているそうです。そう、作物の成りの悪い(=下)畠=畑の地名として。検地の時点で既にこの地にお堂はなく、畑になっていました。しかし人々の記憶と口伝によって「まんだら堂」の名が地名として伝わっていたのではないか、と考えられています。
その証拠?に、写真手前の削平地からは建物の柱穴跡も発掘されています。これが「まんだら堂」の跡ではないか、と現在研究が進められているそうです。
展望ポイントから
再び切通しへ。こちらは「第一切通し」と呼ばれているポイント。
写真では伝わり辛いと思いますが…奥に見えている岩盤も含めて、全て切り通されています。凄い迫力!
そして、この写真の右からせり出している岩、その足元をよ~く見てみると…
地面との間に隙間があり、「乗っかっている」だけなのが分かります。
実はこの切り通し、文献からは本来2.7mの幅があった筈なのです。ところが写真でも分かる通り、現在では狭い所で90cm程度。
更に、この隙間の下からは江戸期の陶器の欠片も発掘されているそうです。
これらのことから考え合わせると…何らかの理由でこの岩は江戸期以降、せり出してきて本来の通りを狭めてしまっていると考えられるのです。
これだけの岩を動かす理由、しかも江戸期の陶器が置かれた後、となるともう関東大震災しか考えられない、というのが現時点での専門家の見解だそうです。
言われいてみれば岩の亀裂も確認出来ますね。
こんなエピソードはなかなか聞くチャンスもない。ラッキーでした♪
下山後はバスで逗子駅まで移動。飲み会へと移る一向と別れ、私は帰宅の途へと就きました。
鎌倉七ツ口と云われた切り通し、奥が深いです。これは何としても全て踏破しなくては!
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