小田原城外郭巡り♪ (…と、石垣山城)
1月25日(土)、小田原城の外郭巡りに出掛けました。
今回の参加者はサイガさん、なっちさん、tantanさんに私を加えた4名。早朝7時30分、私の自宅近くの駅に集合して頂き、マイカーで出発!
石垣山にあった説明板を拝借。あえて北を上にしました。
全長9km以上に及ぶ小田原城の外郭「総構」。今回は西北の「御鐘ノ台」を中心に、遺構の残存状態が良好だという西側を巡ります。
図面
「御鐘ノ台」とは総構が一ヶ所だけ突出したこの部分。
現地を訪れるとよく分かりますが、突端部分が城域に連なる尾根の中で最高所に位置していることから、天正18年(1590)の豊臣秀吉軍の侵攻に備えて攻城ルートを押さえる為に急遽増設された軍事施設と考えられるそうです。
だから、ここだけ不自然なくらいに飛び出ているのですね。
スタートは城山陸上競技場から。ここは「御前曲輪」跡。周囲を高い土塁(切岸)に囲まれています。
小田原城域の中で最も奥まった配置。「御前」という名や、別名「人質曲輪」とも呼ばれていたそうなので、おそらく奥向きの曲輪だったのでしょうね。
毒榎平を抜けて、、、
ご存知、「小峯の大堀切」(図面①)
写真右手の斜面の上は、、、
土塁で囲まれた曲輪になっています。
図面でいうと、堀にU字型に囲まれた部分。
下を覗くと、縦に横に堀が巡らされています☆
小峯の大堀切の堀底。よ~く見ると、所々に障子堀の畝の名残のようなものが見受けられ、堀底が波打っています。
堀底を南下していくと、見事なクランクが☆
一旦、図面②の最外郭線に出て石垣山方面を望む。目と鼻の先に秀吉の本陣が・・・
再び小峯の大堀切を北上~
御鐘ノ台手前の曲輪跡にあった土塁の断面…(^_^;)
さ、いよいよ御鐘ノ台へ♪
御鐘ノ台、北面の堀跡(図面③)
藪で覆い尽くされていて分かり辛いですが・・・(^_^;)
図面④の堀跡。
御鐘ノ台が構築されるまでは、この堀が総構の最西端だったと思われます。
図面⑤の位置から・・・
正面の最高所が御鐘ノ台突端部分付近。
羽柴秀勝軍が小田原攻城の為に構築したと云う前線陣地「荻窪仕寄」推定跡地。
藪もきつく、これといった遺構は確認できませんでした。(図面⑥)
※その後、探索していた「荻窪仕寄」の位置を間違えていたことが判明しました。正しくは図面上、赤で書いた⑥の位置になります。訂正してお詫びいたします…m(_ _)m
今度は御鐘ノ台の南面に移って外郭沿いに歩いていると、なっちさんが素敵な切岸を発見☆
早速下りてみた・・・
おぉ・・・
そこから更に南に折れて、こんな堀跡も♪ あの先は土橋か、堀の封鎖か。
左手の切岸の上は、横矢掛けの為の「出っ張り」部分(図面⑦)
御鐘ノ台先端部分からの眺め。写真右端の尾根は小田原城外郭線。
さて、ここからは外郭線沿いに北東へ、谷津方面に進みます。途中には・・・
「総構稲荷森」の堀跡☆(図面⑧)
北条家特有の、自然地形に土塁を掻き上げて通路状の堀を構築した岸縁入路遺構がハッキリ見て取れます♪
この高低差!
右上にtantanさんが写ってるんだけど…見つけられるかな?(笑)
こんな“気になる”土塁も☆
こちらは「山ノ神堀切」!(図面⑨)
後世の手が入って浅くなっちゃっているけど、、、この先も凄かった☆
じゃーん☆ こちらにも土塁を掻き上げた岸縁入路が!(図面⑩)
※“土塁を掻き上げた”とは・・・
こういうこと(笑)
八王子の滝山城や、埼玉の杉山城などでもよく見受けられる構造です。
ここにも障子堀の跡らしき畝々が・・・♪
更に進みます。総構の外郭線がクッキリ☆
内側に目を向けると・・・小田原城天守♪
北条氏時代の主郭はその右手です。
谷津地区に至りました。とあるお宅の駐車場越しに(笑)
城域に取り込んだ地形の高低差がハッキリと確認できます。
今回の総構歩きはこの辺で切り上げ。
車を停めた陸上競技場(御前曲輪)に戻る道すがら、慈眼寺門前。
この急坂、これも堀の跡です。(図面⑪)
慈眼寺脇を通るこの道に沿って、堀が通されていました。
そして図面で見て頂くと分かる通り、そのまま⑨の山ノ神堀切に繋がっていたものと思われます。
ディ~プな小田原城の世界、楽しかったぁ!!
まだ少し時間があったので石垣山城にも行ってみることにしました。調べてみたらなんと私、10年ぶり…(^_^;)
・・・で、着いてみてビックリ \(◎o◎)/!
すっかり観光地化されとる…( -_-)
10年前は駐車場もただの原っぱだった・・・はず。
展示されていた石の矢穴と刻印。
石垣山城(公園)の図面。
枡形虎口と、右は南曲輪。
西曲輪を経由して、、、
本丸跡。奥に見えるのが天守台。
本丸から小田原市街を一望☆
小田原城天守を探せ!(笑)
そして井戸曲輪
城内殆どの石垣が崩落している中、井戸曲輪の石垣はよく持ち堪えています。
※一部、修復工事中のようでしたが。
下手に観光地化して、何処かのお城みたいに崩落に拍車がかからないといいなぁ、と願わずにはいられません。
本当に素敵です、荒々しい石垣♪
この石垣の裏(外)側がどうなっているのか気になり、一旦上に上がった後、通行止め区間を迂回して回ってみました。
す、素晴らしい・・・☆
サイガさんによると、この石垣が築かれた僅か数年後に行われた「唐入り」(朝鮮出兵)の際、日本軍が彼の地に築いた「倭城」の石垣にそっくりなのだそうです。
歴史は繋がっている☆
そのサイガさん、気付くとこの壁面の一ヶ所にへばり付いて何かを覗き込んでいる…(・_・;)?
何かと思えば・・・
隙間から石垣の奥が見えていたのでした♪
oO(てっきり某あいす女史のように石の匂いを嗅いでいるのかと思った(笑)
実に素晴らしい☆
やっぱり石垣山は井戸曲輪が一番の見どころ♪
二の丸越しに本丸。
最後に南曲輪下の石垣。
さて、石垣山もサクッと堪能したところで、本日の行程は全て終了。
この後は八王子へ戻り、八王子駅前でお疲れさん会☆ 大好きなお城や歴史の話で盛り上がり、楽しい時間を過ごせました♪
今回ご一緒させて頂いたサイガさん、なっちさん、tantanさん、本当にありがとうございました☆
次も是非、よろしくお願いします!