鎌倉古道を歩く…七国峠
「御殿峠」、「井出の沢~小野路」に続く鎌倉古道シリーズ第三弾!
今回は町田市相原町の「七国峠」を歩きます☆
ルートはこちら↓
先月歩いた御殿峠の西、ほぼ並行するように南北に走る古道です。
JR横浜線「相原」駅で降りて、町田街道をひたすら西へ。
「相原十字路」交差点を右(北)に入ってすぐの位置から古道歩きスタートです。
折れていた道標…どっちを指しているのか分からん・・・(^_^;)
スタートしてすぐ。
藪で分かりにくいですが、両サイド共に2m級の土盛りがあって掘割状になっていました。
笹藪が途切れるとよく分かるね♪
古道の雰囲気たっぷり♪
これだけで充分満足しながら歩いていたんだけど、ふと横を向いたら、、、
ん!?・・・もしかして堀割が二重になってないかい!!??
早速覗き込んでみたら・・・
ほぉ~!なんじゃこりゃあ!?
あまりに雄大で美しい掘割状遺構に、暫しヘラヘラと笑うしかなかった・・・。
もしかしてこっちが本道だったのか?と思い、兎にも角にも歩いてみることに。
写真の先で右に折れているし、まずは行ける所まで行ってみよう!ということで、方角的には引き返すように進んでみたところ、すぐに畑のような私有地に出てしまいました。それ以上は行けないので、その場所から再び峠を登り直します。
城郭に比定しても見事な規模の枡形虎口の様なクランク・・・☆
そのクランクを振り返って・・・
更に登り・・・
そして振り返る(笑)
もう溜息しか出ない素晴らしい遺構。。。こんなのが住宅街の裏山のような場所に残っているのです。歴史の浪漫ですね♪
そして二重に通っていた古道はすぐに合流します。
写真は合流ポイントを振り返って写したところ。左が最初に登って来た道で、右の窪みが件の堀割道。
掘割状の古道はまだ続きます☆
こっちは素敵なカーブ♪
勿論、振り返る(笑)
この先、少し下ると一旦舗装された車道に出ます。
その舗装路との接続部分で撮った一枚。
今回歩いている鎌倉古道は「朱雀路」と呼ぶそうです。
少し迷った挙句、路面に石灰で引かれた矢印に沿って左へ進んでみました。
暫く雰囲気のある道を進むと・・・
頂上付近で開けた場所に出ました。
小さな祠に祀られているのは大日如来像。寛文7年(1667)作の現存だそうです。
そしてこの場所、、、
関東の七州(国)を見渡す見晴らし台だったようです。これが「七国峠」の名前の由来。
残念ながら樹木に覆われて景色を見晴らすことは出来ませんでしたが、足元を見ればご覧の高低差。往時はさぞ、良い眺めだったことでしょう。
ところで先程の舗装路から登って来たこの道、どうやら鎌倉古道のルートからは外れていたようです。
このまま写真の手摺伝いに進んでも途中で合流出来るらしいのですが、折角なので一旦戻ることにします。
舗装路に戻って。
進むべき古道はこの先。ということは、この舗装路も鎌倉古道の名残。
心細くも真っ直ぐに伸びる古道。
笹藪に隠れていますが、ここも両サイド土盛りになっていて掘割状の道であることは間違いありません。
暫く行くと、これまた見事な切通し。
おや?・・・何か見えてきました。
月山・湯殿山・羽黒山・・・
そう、所謂「出羽三山」の供養塔です。天保10年の銘が彫られていました。
出羽三山の供養塔が建つ辺り。正面の土盛りの上に供養塔が建ち、その右手がここまで歩いてきた古道。
更に写真手前側に進みます。
また良い感じの切通しが出てきました♪
いいねぇ…
ここも藪で分かり辛いですが、切通しになっていて古道の遺構であることは確か。
ところが、写真では見えませんが鉄製のワイヤーが張り巡らされていて、この先は立入禁止になっています。。。何故?
実はここで、これまで歩いてきた町田市側と、この先の八王子市側との市境になっているのです。
自治体が変わると、こうも対応が違うのですね・・・。
それもその筈。この先は、、、
いきなり峠が寸断されています。
歴史浪漫溢れる七国峠の鎌倉古道も突然の終焉。。。
※立入禁止の筈なのに何故写真があるの?というツッコミはこの際、置いておいて…
本来はこの先も峠は続き、古道も残っていた筈です。
ところが宅地造成の開発により峠は無残にも切り崩され、歴史浪漫の道も突然の強制終了を余儀なくされてしまったのです。
こちらの航空写真。赤い線が八王子(北)と町田(南)の市境を示すラインです。
こうして見ると一目瞭然ですね。見事なまでに市境のラインに沿って、峠が切り崩されているのです。。。
様々な事情があるにせよ、片や散策路として開放し、一方は立ち入りを禁じて宅地造成。。。自治体によってこうも「史跡」の扱いが違うものなのか・・・。これほどまで顕著な例も珍しいのではないでしょうか。
※後日、はたと思い当たって調べてみたところ、先月歩いた御殿峠の古道が、日本閣駐車場裏手の掘割状遺構の先でプッツリと途絶えて急斜面を国道16号沿いに降りざるを得なくなったあのポイント、あそこもまた市境でした・・・。
とあるサイトでこの「立入禁止」区域でも古道遺構が確認できる、とありましたが、今となってはご覧の藪。確かにそれらしい窪みはありましたが・・・
嘆いていても仕方ないので、本日の古道歩きはこれにて終了です。
帰りは出羽三山供養塔の場所で鎌倉古道からルートを外れ、相原中央公園経由で駅に戻りました。
七国峠を仰ぎ見る。
駅までの道すがら、こんなちょっと素敵な小路に迷い込みました♪
行き当たりばったりの散策は、こんな出会いも楽しいですね☆
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