横山塔 -医王山妙薬寺-

八王子市元横山町にある妙薬寺
文和4年(1355)に清遍が開山した薬師堂の別当寺として、清承により明徳2年(1391)に創建されたと伝わるお寺です。本尊は大日如来。

江戸期には薬師堂領として、幕府より7石を拝領しています。
薬師堂
(元横山)村の東の方にあり、三間四面、御朱印堂領七石を賜へり、別當寺しばしば回禄にあひて、記録なければ詳ならず。
別當妙薬寺。新義真言宗にて、宇津木村龍光寺末、醫王山聖天院と號す、開山のこと詳ならず、本堂六間に四間、本尊大日は立像にして、長三尺許。
(新編武蔵風土記稿より)

昭和20年8月2日の空襲で焼かれていますので、現在の堂宇は戦後の再建です。
…それにしても極彩色で派手な作り(^_^;)

この妙薬寺境内の一角にひっそりと祀られているのが・・・

横山塔
武蔵七党の一つ、横山党を供養する宝篋印塔。
永禄3年5月の作だそうです…ちょうど桶狭間の戦いがあった時ですね。
横山氏石塔。薬師堂の前にたてり、昔は境内より十四五歩へだてし字木の下屋敷と云所の百姓かまへの内にありしを、百五十年前にここへ移せしと云、高さ五間ばかり、五輪のごとき塔なり、第二層に梵字あり、第一層には四方に文字あれども滅してよむべからず、ただ横山殿の墓とのみつたへて、その名をつたへず、この墓の舊蹟には、土中に石函ありと云ふ、されどそれを動すときは殃ありとて、近くものだになし。
(新編武蔵風土記稿より)
確かに梵字は確認できますね。
この元横山町一帯が横山党の本拠地とされていて、町内にある八幡八雲神社周辺がその居館跡と考えられているようです。
横山党をはじめ、武蔵七党の歴史はまだまだ不勉強で今はこれ以上の事を書けませんが、大切な地元の歴史。少しずつ理解を深めていきたいと思います。
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