VR「幻の安土城を観る」
1月28日、東京国立博物館東洋館地下1階のミュージアムシアターで開催された、よみうりカルチャーさん主催の講座;
~大画面・高精細映像で観る~ 幻の安土城
を受講してきました。
近江八幡市監修の元で制作されたVR映像(東京では今回が初公開!)を、なんと『信長の城』の著者としても知られる奈良大学学長・千田嘉博先生の解説付きで体験できるという贅沢な企画♪
午前10時の開演後、千田先生による「安土城とは?」という内容の前説から始まり、早速VR映像へ。
まずは「絢爛 安土城」と名付けられた15分程のショートムービーを堪能。300インチの大画面から流れるVR映像の迫力、美しさにすっかり魅了されました。
引き続きマニュアル操作版「安土探訪」へ。
「秀吉」「利休」「光秀」「信長」「鷹」という5つのコースと、
「大手門前」「黒金門前」「天主入口」「天主最上階」「セミナリヨ」「城下町」「内湖の島」「観音寺山」という8つのシーンから成ります。
全ての場面に於いて視点を自由自在に手動で動かせるのみならず、朝・昼・夕、そして盂蘭盆会のライトアップと、時間帯まで選択できる優れものでした。
上記のシーンやコースの中からいくつかの項目をピックアップして、千田先生の解説と共に観ていきましたが、特にコースの「光秀」は;
明智光秀がその居城・坂本城から船で琵琶湖を渡り、安土城へ向かっている設定で制作されており、今となっては埋め立てにより消滅した内湖からの安土城という、レアなヴィジュアルを体験出来て面白かったです。
その他、安土城の見事な再現に比して城下町の作り込みの甘さに千田先生からツッコミが入ったり、
滋賀県の公式見解では「大手道は黒金門には繋がっていなかった」とされている筈なのに、どういう訳か(滋賀県近江八幡市監修の)本VR映像ではちゃんと繋がっていて「ここだけは千田説を採用してくれたのか?!」と、逆に喜ばれたりしていました(笑)
最後に30分程、先生のご著書『信長の城』をベースにした講演があって講座は終了しました。
先生の講演を拝聴するのは昨年4月に続いて2度目ですが、相変わらずジョークを交えながらのトークは軽妙で楽しく、且つとても勉強になり、見事な出来栄えのVR技術とも相まって充実した時間を過ごすことができました。
このVRプログラム、今年(平成27年)の春からは安土にある「安土城天主 信長の館」でも体験できるようになるらしいので、機会があれば是非また足を運んでみたいと思います。