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2015年1月18日 (日)

四津山城・杉山城・中城

1月17日、比企のお城をめぐるオフに参加させていただきました。
朝9時に川越駅前へ集合、車2台に分乗して最初に向かったのは、、、

■四津山(高見)城
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四津山城です。
比企郡小川町高見にあるので「高見城」とも呼ばれています。

縄張図
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鉢形城と松山城の中間に位置し、目の前には鎌倉街道(上道)が通る交通の要衝を押さえる城です。
築城年代はハッキリしませんが、文明12年(1480)の太田道灌書状写に「高見」「高見在陣衆」という言葉が出てくることから、この頃には既に存在していたのではないかと考えられているそうです。
豊臣秀吉による北条征伐では氏邦配下の兵が籠っていましたが、戦うことなく主城の鉢形へと退いていきました。(「関八州古戦録」)

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本郭跡に建つ四津山神社の参道脇には「犬走り」の案内板が。
・・・すると、この山道は当時から存在した遺構ということでしょうか。図A

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何故か剣を持たされた不動明王尊像

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長い石段を何とか上り切り、やっとの思いで辿り着いた本郭

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本郭からの眺め。
この眼下に鎌倉古道(上道)が走り、右手奥、紅白の鉄塔が並ぶ先の尾根には杉山城があります。
写真からは切れてしまっていますが、左の遥か彼方には筑波山も望むことができました。

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本郭虎口付近の土塁

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本郭と二の郭を隔てる堀切と、、、

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そこから続く竪堀

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二の郭の枡形虎口。綺麗に残っています。

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二の郭と三の郭の間に架かる土橋(木橋の橋脚台か?)と、両脇に竪堀。

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その竪堀

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三の郭から一旦ルートを逸れ、笹藪を掻き分けて南西側の斜面を下って竪堀を見にいきました。
・・・が、ご覧の有様で写真では全く伝わらないので割愛します(笑)

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三の郭
周囲を取り巻く土塁も確認できます。

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三の郭の先端、櫓台跡。図B

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その櫓台から城外を見下ろす高低差。

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反対に城外から櫓台を見上げる。
攻城兵からは絶望感さえ漂ってきそうな絶壁の切岸。。。

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櫓台へ取り付く土橋(左手前)と竪堀

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再び斜面を下り、図Cにある畝状竪堀群も見に行きましたが・・・藪がきつくて…(^_^;)
それでも何とか痕跡は確認できましたが、写真では無理ですね(笑)

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最後に二の郭から北側の急斜面を下り、、、

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土塁や、

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横堀、

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竪堀も確認しました。以上、図D
更に、そのまま斜面を東へ回り込み、腰郭へ向かった先で、、、

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別の竪堀を発見。図E

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この竪堀、腰郭の更に上まで続いていました。

結構きつい藪こぎもありましたが、見所も多くて楽しめました、四津山城☆

昼休憩を挟み、次は杉山城を攻めます。


■杉山城
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大手口(南)脇にある塹壕跡と思しき遺構

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南三の郭の横矢から土橋を狙う(笑)

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南三の郭を取り巻く横堀
こういう、外側に土塁を掻き上げて横堀に仕立てた構造、好きです。

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クネクネと折れ上がっているところがまたいいよね♪

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東郭群を見る。
いつ来ても整備が行き届いている杉山城ですが、この日は一段と刈り込まれていました。
お陰でとても見易いのですが、同行していただいた西股先生の目には「木を伐採し過ぎ」とか。そのせいで土塁や切岸が崩れ易くなってしまうのだそうです。なるほど・・・難しいものですね。

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本郭からの南郭群
・・・確かに「丸裸」といった風情だね…(^_^;)

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本郭の土塁

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本郭から見下ろす東郭群
最下段、東三の郭まですっかり刈り込まれています。

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東三の郭

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東三の郭から本郭(右)、南郭群(左)を見上げる。

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引き続き、北郭群へ向かいます。
北二の郭脇の斜面下にも横堀が走ります。

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北二の郭と三の郭間の堀
郭の角できっちりと折ってあります。

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そして北三の郭先端、搦手口

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搦め手口から見遥かす四津山城(写真中央)
先程まではあちらにいました。

いつ来ても見易く、アプローチも楽で関東の土の城を知るにはうってつけの存在。
杉山城、お城好きには一度は訪れていただきたい城跡です。


■中城
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最後は小川町駅すぐ近く、中城へ。

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すぐにとっても素敵な横堀がお出迎えしてくれます。

中城は広めの郭を土塁と横堀がぐるりと取り囲む単郭式の城跡で、いかにも中世土豪の居館跡といった雰囲気です。

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その主郭には現在、テニスコートが。
その脇に、、、

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仙覚律師遺跡の碑
仙覚は鎌倉時代の僧侶で、「万葉集註釈」を著しました。その奥書に「武蔵国比企郡北方の麻師宇(ましう)郷の政所」とあり、この地で記したものと推定されています。
ちなみに中城は猿尾(ましお)氏の居館跡と考えられています。

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主郭の土塁と横堀・・・いいねぇ♪

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主郭からの眺め。
写真中央、一段低い山が青山城跡だそうです。

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横矢を掛けるために折れ曲がる横堀

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堀底を行く・・・

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主郭から

単郭式とはいえ、一つ一つの遺構が見事で結構見応えあります、中城。
埼玉県西部には本当に、いいお城がたくさんありますね。

これにて今回のオフ会は終了です。
まだまだ未訪のお城がたくさんあるし、比企・秩父・寄居辺りは定期的に足を運びたい地域です。

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