圧切長谷部と対面
久しぶりの空の旅で、5年ぶりに福岡へお邪魔します。
空から見下ろす富士山がまた綺麗でした。
日本海側を覆う寒波の影響で雪の降りしきる福岡へ到着後、まず最初に向かったのは福岡市博物館です。
母里太兵衛が福島正則から呑み獲ったとの逸話でも有名な名鎗・日本号。
元々は朝廷の御物で、正親町天皇から足利義昭、織田信長、豊臣秀吉の手を経て正則へと渡りました。
その日本号の横に、今回の福岡旅を決めた最大の目的のものが・・・
国宝・圧切長谷部
膳棚の下に逃げ込んだ茶坊主を、織田信長が棚ごとへし切ったとの逸話からその名で呼ばれています。
黒田官兵衛が天正3年(1575)に岐阜で信長に謁見した際に拝領したとも、信長から秀吉の手を経て伝わったとも云われますが、以降は黒田家の家宝として伝来しました。
大太刀を磨り上げて短くしています(刃長64.8cm/茎長16.7cm)。
考えてみれば信長は、宗三左文字(義元左文字)も義元から接収後に磨り上げ、大太刀を刃長67cmの打刀に改めています。
一概には言えないのかもしれませんが、大太刀よりも振り易くて実戦的な打刀を好んだのかもしれません。
圧切長谷部は「黒田家名宝展示」の中で、平成30年1月5日~2月4日まで展示されています。
新春特別企画「黒田家の刀剣と甲冑展」(同1月7日~2月12日)では、圧切長谷部の拵(国宝)も展示されています。
長谷部の拵の隣りには、やはり官兵衛の愛刀だった安宅切の拵(右/重要文化財)も並べて展示されていました。
共に金霰鮫青漆打刀拵という様式ですが、反りの違いが一目瞭然です。
ようやく念願叶って対面した圧切長谷部・・・寒さも忘れる至福のひと時。
平日とあって想定外に人も少なく、ゆっくりと拝観することができました。
※金印もちゃんと拝観してきました。
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