沖縄遠征2018 ~久米島(前編)~

沖縄の旅2日目は早朝、宿から歩いて波上宮への参拝からスタートしました。
琉球八社の一つで、その最上位に格付けされています。

那覇市内唯一の砂浜、波の上ビーチから見上げる波上宮。
波上(ナンミン)は古くから景勝地としても知られた地で、波上宮はこの地を聖地・拝所として、ニライカナイの神々に祈りを捧げたことに始まるとされます。
第2次大戦で社殿は灰燼に帰しましたが、昭和28年、ハワイの人々の尽力によって再建されました。
波上宮参拝を終えた後は那覇空港へ移動し、最後のメンバーとも合流。

恐らくは人生初搭乗となるプロペラ機で、いよいよ久米島へ渡ります。

プロペラ機の機内。
高速バス程度の広さですが、新しいのか清潔感もあり、なかなか快適な乗り心地でした。

高度を上げて水平飛行している時は安定していたものの・・・
着陸に向けて高度を下げていくに連れ、揺れが結構激しくなりました・・・(^_^;)
(写真は渡嘉敷島上空からの眺め)

飛行時間僅か30分弱で久米島空港に到着!

レンタカーを確保し、まず最初に向かったのは久米島博物館。
博物館のすぐ横に伊敷索(チナハ、イシキナハ)城があるのですが、まずは博物館を見学。

久米島の城(グスク)マップ
久米島には14世紀末頃から按司(アジ、アンジ)と呼ばれる支配層が現れ、各地に城(グスク)を築き始めます。
そして、中山王の系統をひくと云われる按司は伊敷索に城を築いて拠点としました。
この伊敷索按司は徐々に勢力を広げ、長男を宇江城(ウエグスク)に、次男を具志川、三男を登武那覇(トンナハ)に配して久米島全域にその勢力圏を広げていきます。
ところが16世紀初頭、三山を統一した琉球王朝の尚真王の命で久米島の按司は討伐され、それ以降久米島は琉球王国の支配下に治められることになりました。
今回、我々もこれら伊敷索・宇江城・具志川・登武那覇の各グスクを中心に、久米島の名所などをめぐっていきます。
まずは、博物館の目の前にある伊敷索城から。

伊敷索城、虎口を抜けた先の郭内。
立派な石垣が取り囲みます。

沖縄地方の石垣、やはり独特ですね。

石垣を横目に、細長い郭を奥へと進みます。

郭間を仕切るように低い石垣が横切ります。この奥が主郭。

主郭の石垣は残存状態も良好で、一段と立派な印象を受けました。

伊敷索城から北の方角を眺めると、遠くに宇江城城のある宇江城岳が見えていました。
(写真中央やや右奥)

一端グスクから離れ、お次は奥武島へ。
その道中、あまりの見事な青さに魅せられて撮った1枚。

ついつい美しい海に目を奪われがちですが、目的はその手前に広がる畳石です。

奥武島畳石
溶岩が冷えて固まる過程で割れ目(節理)が入り、柱状の岩塊を形成した柱状節理です。
五、六角形の天辺部分だけが地表面に現れ、直径1~2mの柱は地下深くへと続いています。

こうしてちょっと段差があると、一つ一つが独立した柱状になっていることがわかりますね。

お昼は畳石近くのお店で、久米島そばをいただきました。
さて、次は登武那覇城へ向かいます。

中腹の公園に付随した駐車場に車を停めたものの城跡の位置がわからず、間違って山頂まで登ってしまいました。
写真は頂上付近からの眺め。遠くに、はての浜まで見えています。

実際の城跡は中腹の公園の先端、標柱の奥の藪を掻き分けた先にあります。
ご覧の通り、理由は定かではありませんが、山の中腹の斜面に築かれたグスクでした。
藪の入口があまりにワイルドだったので・・・ハブが怖い私はチャレンジを断念。

突入した同行者が撮影した、登武那覇城の石垣。
(写真提供:あむさん)
先に述べた通り、登武那覇城には伊敷索按司の三男・笠末若茶良(ガサシワカチャラ)が入れられました。
ところが若茶良は、後に父である伊敷索按司の追討を受けて自害に追い込まれる運命にあります。
この地方には若茶良を唄ったオモロ(歌/沖縄方言の「思い」が語源)が数首残っており、領民に慕われていたことを偲ばせます。

次の目的地である比屋定バンタへ向かう道すがら、あまりの絶景に思わず車を停めて撮った1枚。右奥にはての浜。

比屋定バンタ
バンタとは、「崖」や「端」を意味する言葉なのだそうです。
物凄い断崖絶壁から吹き上げる海風がまた強烈で、まともに立っていられないほどでした。
この後は宇江城城へ向かいますが、ここから先は後編へ続きます。
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