大馬出先端の横堀 (滝山城)
最近、「大馬出先端の横堀が伐採で綺麗に見えるようになった」との情報を受け、久しぶりに滝山城へ行ってきました。
図の赤でマーキングした部分です。
二の丸南に位置する大馬出。
南面の土塁上から見下ろす横堀。
この横堀はずっと藪が生い茂っていて、一度も踏み込んだことはありませんでした。
“折れ”もしっかりと確認できます。
今まで見れなかったものが見えるようになるのは嬉しいものですね。
ついでにもう一つ、千畳敷に向けて突き出す角馬出も。
こちらも整備により、以前よりも綺麗に見えるようになっています。
先程の大馬出が本当に馬出かどうかは置いておくとして、こちらは歴とした馬出。
こじんまりとコンパクトな分、構造をよく見て取ることができます。
ところで、千畳敷といえばとても残念な個所が・・・。
近年、北側の弁天池へ向けた斜面が、大雨によって崩落してしまったのです。
弁天池から見上げる千畳敷方向(2013年撮影)
斜面に道や小曲輪のような痕跡が残されていたのですが、これらの遺構が一時に失われたのかと思うと無念でなりません。
また、カゾノ屋敷か刑部屋敷だったかの土塁にも、通行禁止の立て札が。
こちらは、人が歩いて削れてしまった土塁を保護するための措置のようです。
土塁を保護するのなら、他にも・・・
本丸東虎口のこの部分とか・・・
二の丸枡形虎口のこの部分とかも、是非お願いしたいところ。
今回新たに気付いたのが、小宮曲輪の虎口付近。
立派な枡形虎口があるにも関わらず、その先に立ち入り禁止の柵が立ち塞がっているためか、案内板の右横に踏み跡による傷みがクッキリと・・・。
僅か2年前の2017年3月に撮影した写真では確認できなかったので、ごく最近になってつけられてしまったものです。
大切な遺構なので、無闇に土塁に登ってはいけませんね。「城好き」こそ、気を付けないといけないこと・・・私も肝に銘じます。
最近は、安全の確保や遺構の保護といった観点から以外にも、「園路ではないから」という理由での通行禁止の立て札が増えました。
写真は三の丸の横堀。
こちらは、本丸南虎口を出た先の西側。
図の通り、この先にもいい遺構がたくさんあるのですが・・・。
小宮曲輪の横堀まで通行禁止になっていたのには驚きました。
物凄く見応えのある遺構なのに・・・。
場所によっては、こうして見学させていただける箇所も。
(以前、コチラの記事でご紹介した小宮曲輪北にある枡形虎口一帯)
地権者のご都合とか、公園利用としての交渉とか、いろいろと致し方のない大人の事情があるのでしょう。
しかし、こうも制約が増えて見れる箇所が限られてくると、地元の人間としては;
滝山城の凄さはこんなもんじゃない!!
という思いが強くなるだけに、逆に胸を張って誇れる城跡ではなくなっていく感覚もジワジワと湧いてきてしまいます。
大好きな城跡なだけに、なんだか寂しい。。。
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