日本初の動力飛行を記録した飛行機
今回は久しぶりに、所沢航空発祥記念館へ。
所沢航空発祥記念館に訪れるのは、2013年に零戦を観に来て以来です。
今回の目的は・・・
日本で初めて動力飛行を記録したアンリ・ファルマン機(1910年製)です。
明治43年(1910)4月、徳川好敏・日野熊蔵両大尉は飛行機の研究と購入を目的に、それぞれフランス・ドイツへと派遣されました。
なお、徳川大尉は御三卿清水徳川家の八代当主にあたります。
同年10月に帰国した両大尉は12月、代々木練兵場(現代々木公園)にて、それぞれが購入してきた飛行機での飛行実験に臨みます。
12月14日、まずは日野大尉の操縦するハンス・グラーテ機が地上滑走試験・予備飛行に於いて高度2m/飛行距離100mを記録し(但し滑走時に"浮いた”"ジャンプした”だけ、との見解もあり)、次いで19日、公式の飛行記録会に於いて徳川大尉のアンリ・ファルマン機が高度70m/飛行距離3000m、飛行時間3分を記録しました。これが日本初の動力飛行となります。
代々木練兵場で飛行実験に臨むアンリ・ファルマン機の様子(模型)
アンリ・ファルマン機が離陸した地点は、現在の明治神宮境内にあたるようです。
アンリ・ファルマン機は退役後も所沢の航空参考館に展示・保管されていましたが、1945年の第二次大戦終結後にアメリカに運ばれます。
そして1960年5月21日、日米修好100周年と日本の航空50周年を記念して返還されました。
(以降、2008年までは千代田区の旧交通博物館で展示)
会式一号飛行機(レプリカ)
アンリ・ファルマン機での飛行実験に成功した翌明治44年(1911)、徳川大尉は同機を参考に、自らの設計・製作による日本初の軍用訓練機・会式一号飛行機を所沢飛行場(現所沢航空記念公園)で完成させます。
同年10月13日、所沢飛行場での飛行実験では最大高度85mを記録し、航続時間も3時間を実現するなど、フランス製のアンリ・ファルマン機よりも高い性能と操縦性を評価されました。
・・・たまにはジャンルの違う分野のお勉強もいいものですね。