江馬氏館
飛騨市神岡町殿(トノ)にある江馬氏館跡。
16世紀後半まで、神岡町を含む飛騨国高原郷を領した江馬氏の平時の居館跡です。
江馬氏館跡図
発掘調査の成果に基づき、会所や土塀、庭園(池)、空堀などが復元されています。
北堀
館の正面にあたる西堀。
こちらは薬研堀になっていたそうです。
門前区画
こちらでも建物跡が検出しており、宿直屋や馬屋(厩)が建っていたものと考えられています。
南堀
発掘の結果、新旧2つの堀跡が検出しており、一部掘り直されていたことが判明しています。
会所
復元された建物はこの会所のみですが・・・
それ以外の建物跡には板を張り、その位置を示しています。
写真左から台所・対屋で、写真には写っていませんが、更に右には江馬氏の居住空間である常御殿が建っていました。
館の背後(南東)の尾根上には、前の記事で江馬輝盛のお墓をご紹介した際に少し触れた主城、高原諏訪城も。
※尾根上、少し木の根元が透けている辺りが主郭。
庭園の池跡
発掘調査前、この地が田んぼだった頃から地表面に大きな石が5つ覗いており、地元では「江馬の殿様の庭石」と言い伝えられていたそうです。
昭和51年、神岡鉱山の公害による土壌汚染の影響で土地改良工事に着手することとなり、それに先立つ調査で実際に池などの庭園跡が検出し、平成6年に本格的な調査が再開されて整備されるようになりました。
実際に調査してみると、池や築山の庭石はかなりの部分で旧態を留めていたそうで、倒れたりしていたものは根石等の状況を確認した上で庭石との合わせを考慮して復元されています。
更に耕作によって撤去されたり、畦を固めるために転用されたりしていたものは景観を考慮して配置し、不足分は追加で購入して復元されました。
ボランティア?の方のお話も端的でわかりやすく、結構勉強になりました。
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