アキシマクジラ出土地と多摩川の牛群地形
本日は多摩川の河川敷(昭島市側)へお出かけ。
まずは・・・
JR八高線が多摩川を超える鉄橋の、すぐ下流側へ。
この一帯がアキシマクジラの出土地となります。
アキシマクジラは昭和36年(1961)8月20日、ほぼ完全な骨格で化石が発見されました。
発掘された地層から、およそ200万年前頃に生息していたものと考えられています。
それから57年後の平成30年(2018)1月1日、学会誌に「これまで世界で発見されたことのないヒゲクジラ属の新種」として発表され、「エシュクリクティウス アキシマエンシス」という学名が命名されました。
そんな訳で、昭島市のマンホールにも鯨がデザインされています。
また、アキシマクジラに関する説明板の前には、2対の鉄道車輪が設置されています。
昭和20年(1945)8月24日、終戦の僅か9日後にあたるこの日、八高線小宮~拝島間の多摩川に架かる鉄橋上、つまりは冒頭写真の場所で上下線の列車が正面衝突し、少なくとも105名もの尊い命が犠牲になりました。(八高線は今でも全線が単線)
犠牲者の多くは終戦に伴って故郷へ向かっていた復員兵や、疎開先からの帰省客だったと云います。なんとも痛ましい事故です。。。
2対の車輪は鉄橋付近から発見され、この時の事故車両のものと考えられています。
八高線の鉄橋から1㎞少々下流へ向かった先に残る、多摩川の牛群地形。
1950年代の砂礫大量採取により、160~200万年近く前の地層(上総層群の一部)が露出し、洪水などによって削られたできた地形なのだそうです。
こうした形状が牛やクジラの群れのようにも見えることから、牛群地形と名付けられました。
八高線の鉄橋付近は、河川改修工事によって牛群地形が失われていますが、先程のアキシマクジラも同様の地層から発見されたそうです。
対岸にはトンネルのようになっている箇所も。
以前から一度来てみたいと思っていたので、天候にも恵まれて良き散策となりました。
途中マムシに遭遇し、気づくのが遅れて危うく踏みそうになったこともありましたが・・・(;・∀・)
■11月5日追記
折角なので昭島市の教育福祉総合センター「アキシマエンシス」へ、アキシマクジラの全身骨格レプリカを観に行ってきました。
下から・・・入りきらない(笑)
化石の実物も一部、展示されていました。